5月25日、兵庫県立芸術文化センタ―。
佐渡芸術監督は午前中に阪急中ホールで、今夏の佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ 喜歌劇「メリー・ウィドウ」(7月16~25日全8公演、KOBELCO大ホール)の記者発表に、プロデューサー出身の演出家・広渡勲さん、ハンナ役の歌手・並河寿美さんらとともに登壇。開館から3年目の2008年夏に約2万人が喝采した伝説の作品を、キャストを一新して改訂新制作することをアピールした。
佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2021喜歌劇「メリー・ウィドウ」特設サイトはコチラ
会見で「劇場ができたことで街に新しい文化を根付かせたい」という思いで15年間続けてきたオペラを振り返った後、「先ほど広渡さんが傘寿を迎えたとおっしゃったが、僕はヨーロッパから戻って自主隔離中に還暦を迎えました。本当は高松公園でパレードでもしてもらって、にぎやかに迎えたかったけれども、そうもいかず。自宅で一人で酒を飲んでいました。せめてもと、今日は赤いマスクを持ってきました」と記者たちを笑わせた佐渡芸術監督。
午後からはKOBELCO大ホールで、兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)のメンバーとともに「わくわくonlineオーケストラ教室」のリハーサルに臨んだ。曲目はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。演奏する箇所を指示して、佐渡さんが指揮棒を構えた瞬間、サプライズが起こった。
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PACメンバーが「ハッピー・バースデー」を演奏する中で、赤いベストやメッセージの花束などのプレゼントを手渡され、客席に姿を見せたセンターのスタッフらが「監督還暦おめでとう」と書かれたボードを掲げると、感激屋の佐渡さんの目には涙が。
コメントを求められた佐渡さんは最初に英語で謝意を表明。その後日本語で「ありがとうございます。今日は何だか観客が多いなと思っていたら、こんなことを企画してくれていたんですね。いや、本当にびっくりした。いつまでも若いと思っていますが、気を引き締め、これからもますます芸文センターを魅力的なものにしていきたい」と、かみしめるように語った。
佐渡裕さんは2005年の開館に先駆けて40代で兵庫県立芸術文化センターの芸術監督に就任。「わが街の劇場、わが街のオーケストラ」の魅力を、率先して力強く伝えている。